もう登れない
小仏城山の登山口までアプローチした私は、久しぶりの登山を開始する。 2回目の山登らー人生を歩み始めようとしていた…! 登山開始から5分。普段の生活で運動をほとんどしていなかった私の体は、弁天橋での猛スピードの反動もあって、すでに悲鳴を上げ始めていました。 つらすぎる! 思わず心の声が口からもれ、ひと休みすることに。 肩で息をしながら持ってきた水を飲みながら、考えます。 まだ入り口はすぐそこだから、帰るなら今だ。 道は間違えたし、体力は無いし、暑いし… もう、自分は山登らーじゃないんだ。 久しぶりということもあり、余裕がなくなってきた私は、諦めの気持ちが大きくなり、しばらくその場で立ち止まっていました。 ここで帰ったところで、誰に怒られるわけでもないから、と。 するとその時、斜面に沿うように風が吹き上げていきました。 汗をかいていた私に爽やかな風を浴びせて、風は頂上に向けて登っていきました。 まるで、もう帰るのかい?と言わんばかりに。 私は、その時、この気持ちの良い風を浴びるために山に来たんだと、思い出しました。 ここで帰ったら、今までと何も変わらない。 時間も、まだ切迫詰まっているわけではないし、遅くなっても高尾山はある程度明かりがあるのと、ケーブルカーもある。 スピードを出して登るのが辛いなら、ゆっくり、辛くない速さで登ろう。 せっかく来たんだから、ゆっくりと、一歩一歩、登って行こう。 そう思い直し、山頂を目指すことを決めました。 こうして、時間を全く気にしない登山が始まりました。 どれだけゆっくりでも、行きたいところに行くことが何よりも重要なことなんだ… 目指せ、山頂!
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