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第1話-10年ぶりの沖縄上陸
羽田発-那覇行き
旅は、出発する前から始まっていると言いますが、この時の私の旅は、出発の当日から始まりました。
旅の始まりは、支度をするところからだと思っていますが、前日まで仕事の忙しさなどを言い訳に、準備らしい準備を全くしてこなかったわけです。
その結果、支度は出発当日の朝、起きてから始めたのでした。
とはいえ、男の身支度など泊数分の着替えさえあればどうにかなる世界だと思っているので、必要な着替えと多少の道具を80Lのザックに詰め込み、最寄りの空港、羽田空港へと旅立ちました。
【羽田空港のロビー】
朝こそ、準備などがあったので多少めんどくさい気持ちがありましたが、旅を始めてしまえば、わくわくとした、気持ちの高ぶりに満たされました。
羽田空港へ着くと、周りには、理由はなんであれどこかへ旅に出る人たちが集まっていて、浮き足立っている自分に気付きました。
何かが始まる直前こそ、私が最も好きな時間かもしれません。
【羽田空港のオシャレな道案内】
飛び立っていく飛行機たちを窓から眺めたり、機内で食べるお弁当を選んだりしながら、搭乗案内を待ちました。
搭乗が始まり、いざ那覇へと向かう飛行機に乗り込むと、どういうことか、私の席にイケメンの外国人が座っているではありませんか。
その瞬間、私の頭の中で、様々な考えが同時に議論されました。
自分が席を勘違いしているのか、この外国人は日本語が喋れるのか、英語で話しかけるとしたら何と言えば良いのか?
いくつもの話題が私の中で結論付いた結果、「すみません、ここ私の座席…」となんとも頼りない発言をしました。英語で話しかければ良かった…。
運の良いことに、その方は日本語をしっかり話せる方でしたので、「間違えました」と謝りながら後方の座席へと去っていきました。
私がもう少しまともなコミュニケーションが取れれば良かったのですが…。
【那覇行きの案内】
フライト!To沖縄
羽田空港の滑走路を走り出した飛行機は、グンと速度を上げて機体の頭を空へと向けました。
沖縄への2時間のフライトの始まりです。
天気は幸いなことに晴れ。しかし、目的地の沖縄は梅雨に入っていて雨模様のようです。
離陸してまもなく、窓の外に黒い大きな塊が見えました。私は最初、何が見えているのか理解できませんでしたが、全貌が見えてくるとそれは巨大な独立峰、富士山でした。
旅の始まりに、日本一の最高峰富士山がお見送りをしてくれているようで、私はなんとも感慨深い気持ちになりました。そして、ちょうどこの一か月後に富士登山に臨むことになるので、そういった意味でも運命的な何かを感じていました。
高度が落ち着いて、ベルト着用のサインが消えたところで、お弁当タイムに突入です。
羽田空港で購入した「肉巻きおにぎり」のお弁当を堪能し、夕食に予定しているステーキに想いを馳せました。
【機内の様子】
フライト中、時間をつぶすための何かを持っていなかった私は、ひたすら自分と向き合う時間にすることにしました。
私の性格を考えると、例えば旅行についても基本的にめんどくさがって行きたいと思わない性格なのですが、今回の沖縄旅行については、かなり前向きに行きたいと思い、かつ会社の夏休みを利用して長めの旅行を企画しました。
これは私にとってとても珍しいことで、休みを使ってでも活動をしようとするには、かなりのエネルギーを必要とします。
今回については、しばらくの間会えなくなってしまう友人Iと、会っておきたいという思いが強かったためでしょう。
そういう意味でも、この旅行は私の中の何かを変えてくれていると思いました。
飛行機の窓から見える景色が、陸地から海へと変わり、ベルト着用のサインが点灯したところで、フライトが終わりに近づきつつあることが分かります。
アナウンスで着陸態勢に入ることを告げられ、高度がどんどん下がっていきました。
フライトの中で私が最も緊張するのは、着陸の瞬間です。失敗したらコナゴナになってしまうなと思いながら、着陸を見守るためです。
那覇空港への着陸もドキドキしながら待っていましたが、この空港への着陸は、海のそばの空港への着陸のため、海面がどんどん近づいてくる着陸でした。
私はそれを知らなかったので、「終わった・・・」と絶望感でいっぱいになりながら着水を待ちましたが、海に落ちる寸前、沖縄の大地が姿を現し、機体は滑走路へと滑り込みました。
エンジンが逆噴射をしてスピードを緩め、機体が走行モードに入ったとき、私は安堵のため息を吐きました。
飛行機から降りる準備ができたところで、私はゆっくりと飛行機のドアをくぐりました。
こうして私は、沖縄への10年ぶりの上陸を果たしました。