ビルドとは
ここまで、「ビルド」の話を一切しないまま進んできましたが、重要な概念なので、ここで説明しておきましょう。 早くプログラムを書きたい!という人は、飛ばしてもらっても構いませんが、任意のタイミングでそのうち読んでおいてください。 ビルドとは、「コンパイルやライブラリのリンクを行って、実行可能ファイルを作成すること」を意味するようです。 初心者にとっては、何やら新しい単語がわんさかでてきてよく分かりません。 かみ砕いて言うと、「ソースコード(設計図)をアプリ(実行体)の形にするよ~」ということです。 詳しく見てみますと、まず、ソースコードというのは、あくまで文字の羅列でしかありません。 どういうことかというと、ソースコードは設計図であり、実際に動作するものではないのです。 例えば、車の設計図があるとして、車の設計図が時速60キロで走ってくれることはありません。あくまで、「設計図を基に作った車」が時速60キロで走ってくれるのです。 設計図と車は別物であり、実際に走るのは車。この関係性と同じことが、プログラムでも言えます。 どちらもコンピュータの上にあるものなので、イメージがつかみずらいかもしれませんが、ソースコードはあくまで設計図であり、設計図通りに実行体を製造することによって、はじめてアプリケーションとして動作します。 そのため、ソースコードが無くても「実行体」さえ持っていればアプリケーションを利用することが出来ます。 スマホにアプリを入れているのも、この「実行体」をいれているから動きます。 さて、この設計図からアプリケーションを作り出す作業を「コンパイル」と言います。 そして更に、コンパイルで生み出された実行体同士を連携付けたりして、実際に動く状態にしてくれるのが「ビルド」です。 C#では、複数の実行体を組み合わせてアプリケーションを作ることがほとんどなので、アプリケーションの「ビルド」を行っているというわけですね。
ビルドしたアプリのありか
それでは、実際にビルドしたものがどうなっているかも確認しておきましょう。 VisualStudioで「開始」ボタンを押して実行をしている時も、実際にはビルドが行われてから、そのビルドされたアプリケーションが実行される、という流れになっています。


ビルドエラー
ここで、VisualStudioの便利な機能をお知らせします。ビルドエラーを検知してくれる機能です。 例えば、プログラムの書き方を間違えていて、そもそもコンパイルが通らないようなソースコードを書いている時、「ビルドエラー」として検知してくれて、ビルドできないようになっています。


実行時エラー
もう一つ、エラーを紹介しておきます。「実行時エラー」というエラーです。これはビルドエラーとは区別されます。 ビルドエラーは、プログラムの書き方が間違っているために発生し、そもそも実行体の形にすらできないでエラーが発生している状態ですが、実行時エラーは、ビルド自体はできている状態になります。 プログラムの文法的にはあっているものの、実行してみると想定していなかった動きが発生してプログラムが止まってしまう状態の事を指します。 よく「バグ」という言葉を聞くかもしれませんが、「バグ」の大半は実行時エラーです。 ビルドできない状態というのは、さすがに開発者が気づくのですが、実行中に発生するエラーには気づけないことがあります。 そういったエラーが発生している場合は、その原因箇所を突き止め、解消する必要があります。 実行時エラーの探り方については、後々やります。 リンク先:デバッグ実行のやりかた 本ページもしっかり読んでくれた方はありがとうございます。 引き続き、C#を学んでいきましょう。
Tweet