【太陽系】第一惑星-水星-Mercury

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基本情報

【水星-Mercury】
(c)NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

赤道半径 2,440km(地球の0.383倍)
質量 3.3 × 1023 kg(地球の0.055倍)
平均密度 5.43g/cm3
太陽からの平均距離 5,791万km(0.387au)
衛星の数 0個
公転周期 87.969日
自転周期 58.65日
地軸の角度 7.0度
分類 地球型惑星

一日が長い星

水星の特徴の一つとして、自転がゆっくりであることが挙げられます。
自転周期は約59日。水星の公転周期が約88日であることを考えると、水星が一回転する間に、太陽の周りを3分の2ほども移動してしまうのです。

その影響で、水星の地表から太陽を見たときに、日が昇ってから再び日が昇るまでの期間は約176日にもおよび、昼と夜の期間がそれぞれ非常に長くなります。

仮に人類が水星で暮らしていたとしたら、睡眠不足を請け負うこと間違いなしでしょう。
(暮らしている場合、おそらく何かしらの適応がされるとは思いますが・・・。)

地表の温度

昼と夜の期間が長いことにより、日中は太陽によって長いこと温められ、夜は大気が非常に薄いことにより冷えるので、激しい気温差が発生しています。

特定の条件がそろった場合、最高700K(約430℃)まで気温が上昇します。

これほどまでに気温が上がる原因は、昼の面が長い他に、太陽に近いことが挙げられます。
地球の約7倍にも及ぶ熱や光を太陽から受けているため、非常に高温にまで上昇します。

夜の面では日中に蓄えられた熱はほとんど逃げてしまい、最低90K(約マイナス180℃)まで気温が下降します。

非常に大幅な気温の変化が起こる水星の地表面ですが、北極と南極のほど近くにあるクレーターの中に、固体の水が存在していることが確認されています。

【メッセンジャーが捉えた水星表面】
(c)NASA, JHU APL, CIW

地表の様子

水星の地表面は、「リンクルリッジ」と呼ばれる断崖があります。
惑星表面の全体に広く分布しており、「しわ」のように見えます。
これは、水星が冷えて収縮した際に発生したものと考えられています。

また、表面は多くのクレーターに覆われています。中でも、最大級のクレーターが「カロリス盆地」と呼ばれる直径約1,300kmもある巨大なものが存在しています。

これらの特徴は、「マリナー10号」によって初めて観測されました。

水星の探査

水星の探査は、多くは行われていません。
1973年11月に打ち上げられた「マリナー10号」と、2004年8月に打ち上げられた「メッセンジャー」の2つの探査機が接近しています。

【マリナー10号】
(c)NASA/JPL

探査が行われない理由として、探査が困難であることが挙げられます。

地球より内側の惑星で、太陽により近い惑星である水星を探査するためには、太陽に向かって探査機を飛ばさなければならないのですが、太陽の重力によって探査機が引っ張られ、加速してしまいます。
そのため、水星付近で留まるためには燃料を使った減速が必要になります。

また、太陽に近づくことによる熱や電磁波の影響も大きく、探査を困難にしている要因となっています。

そんな、難易度の高い水星の探査に初めて挑戦した「マリナー10号」は、金星と水星の探査を行うために打ち上げられました。
1974年から75年にかけて水星に接近し、様々なデータを観測しました。水星の表面を45%ほど撮影し、磁場が存在することを確認しました。

その後2000年代に入り、水星を探査する計画が立てられました。これは、水星が原始の太陽系に関する情報を得られる可能性のある惑星であったためです。

【メッセンジャー号】
(c)NASA

水星を探査する2回目の探査機である「メッセンジャー」は2011年3月に水星の周回軌道へと投入され、1年間で運用終了予定でしたが、延長に延長を重ねて、最終的に約4年間に渡って水星のデータを観測しました。

極地に固体の水の存在を確認したことや、水星表面の95%以上の撮影を行ったことなど、水星探査において、大きな成果を出しました。

そして現在(2020年)、水星探査に向けて飛行している探査機が「ベピ・コロンボ」です。2025年12月頃の水星到着を予定しているようです。

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